忘れられない、夜

 布団のなかで、京極堂がのし掛かる姿勢で、お互い馬の姿勢になった関口と京極堂

京極堂は、シリアスな、強い、なにかの余裕のない顔つきで、眉間に皺をよせて、怒ってる。覆い被さるように関口にのし掛かると、ずっずっずっと、言えないところに遠慮のない中禅寺の攻めが押しては寄せるように。いつもの、ふしだらな行為。やる。くれる?いいの、うん。

 

熱い、竿が中で暴れているのを思いながら、そういえば、中禅寺はあんな形をしているな、と綺麗な肌色の綺麗な形色をしていた、苦しめるものを思い出す。

「関口君、怒ってるよ、君はなぜあの男を見ていた」

ぐい、と奥を突かれて、あぁ!と可愛いこえが出た。 ささいなことである、関口が誰か他人にちらと視線をやって、中禅寺が気持ちを損ねたのだ。

「な、なんのことだい、きょうごく、どう。あ、う、あっあっあっ、やめてくれ、君の責めはひどい。ぼくはただ、通りすがりの人に道を聞かれて‥‥」

悲しげな関口の声。

「こうする」

断罪。京極堂が、関口の、奥の弱いところを、突き上げる。

「ああ!」 「僕が、どれだけ君のことを想っているか、解らないようだからこうしている、君は、僕のものだろう。裏切るな」

京極堂の、切ないくらいの恋心が伝わってきて、関口は心臓を締め付けられ、彼の気持ちが痛いほどわかった。

「ごめん、中禅寺。わかった、もう、僕は誰も見ない」  

関口は、泣いた。泣いた関口に、中禅寺が容赦なくおのれの欲望を繰り返したたきつける、

中禅寺はいちずで、真面目な男だ。表向き、ふざけてみえることもあるがそれは嘘で、実のところ真摯で、僕の腐れ縁なのだ。

揺れる関口、興奮しながら、怒っている京極堂。しだいに、余裕のない攻めになってきて、二人とも息があがる。関口はもうどこか壊れたかんじで、やられまくり、は‥あ‥‥あ‥‥と、甲高い、かわいそうなあえぎ声。いつものことだが、京極堂はひどい。京極堂は前から後ろから、がんがんついたあと、関口はあんっあんっといって上を向いてあえぎ、必死に布団を握る。それで、とまらないのだ。

 

 

布団に伏す。

それでも京極堂は止まらなくて、ゆすりあげられる体、高く尻は掲げられ、奥深くまで、ずっと入れられるとぬいて、入れられると抜いてを繰り返す。嫌らしい腰つきでねじいれ、抜く、ひねりいれ、抜く。中禅寺が奥をつきはじめる。ねちっこく、高飛車に言う。

君はね、これくらいで、壊れすぎなんだよ、

僕が癒してあげるから。とむちゃくちゃな言いかたで、責めをやめない。あ、あ、あ、と鈍く鋭く動いたかと思うと、関口も、中禅寺とかんぺきにリズムをあわせてうごめきはじめる。あ、あ、中禅寺、ひどいよ、抜いてくれ。中禅寺のぺニスがひどく興奮した怒張になっているのがわかる。関口は、馬の姿勢でがくりと下を向き、髪を揺らしつつ、訴える。訴えはきかない。スパルタだ。嫌だ。嫌だ。感じすぎる自分も、快楽を教える中禅寺も。 中禅寺が、踊るようにはげしい腰の動きをして、関口が受け答える。.‥.熱い。中禅寺は、しだいに辛そうな顔をして、ひどい卑猥なものを奥にたたきつける。関口も、顔が赤く、つらそうだ。あえぎ声が、切なく、甘い。 絡み合うセックスで、関口はもう一度つらそうなのに、中禅寺はやめない。とにかく、中禅寺はすけべだ。試合が、終わっても、なかに秘熱が残るくらいやるし、性器の奥が、もんでもんで忘れられなくなるくらい、饒舌にさせられる。頭の悪くなるセックスだ。だけど、中禅寺は、たまにこれをする。  

 

「関口くん‥‥ ッ!」

達した京極堂は、はあはあと荒い息を吐きながら、また動こうとする。「京極堂‥‥‥」涙ながらの僕の体も敏感になっていて、何度も奥で達する中禅寺にびくびくと体が痙攣する。「ごめんね、君がいとおしいくて、無理ばかりしてしまう」中禅寺は悩ましい顔をしている。「いいんだ、嬉しいから」嫌とはいえない。

じゃあ、続き。うん。

これが、朝まで続くのだ。

 

忘れられない、夜。